私たちは、皇室の伝統的な男系継承を確保する「養子案」の早期実現を求める活動を進めています

(議事録全文)『安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議』(第10回・令和3年7月26日)議事次第・配付資料・議事録

有識者会議(令和3年)

『安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議』は通称であり、正式名称は『「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議』です。

議事録、資料などは次に示す内閣官房のホームページに掲載されていますが、Webでの閲覧や検索に適さないPDF形式であるため、当HPにてHTML形式に整形しなおしたものを掲載し、メディアによる切り取り・偏向報道を経ていない1次情報を広く国民の皆様に知っていただきたいと存じます。

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議|内閣官房ホームページ
内閣官房,「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議

議事次第

第10回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 議事次第

日時:令和3年7月26日(月)16:45~18:15
場所:総理大臣官邸大会議室

議事

○ 開会
○ 討議
○ 閉会

配付資料

資料1  : 前回までの議論(PDF/232KB)

資料2  : 事務局において制度的、歴史的観点等から調査・研究を行うべき事項(案)(PDF/389KB)

追加資料 : 今後の整理の方向性について(案)(PDF/204KB)

議事録

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議(第10回)議事の記録

1 日時:

令和3年7月 26 日 16:44~18:30

2 場所:

総理大臣官邸大会議室

3 出席者:

・「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者 会議メンバー

大橋 真由美 上智大学法学部教授
清家 篤   日本私立学校振興・共済事業団理事長 慶應義塾学事顧問
冨田 哲郎  東日本旅客鉄道株式会社取締役会長
中江 有里  女優・作家・歌手
細谷 雄一  慶應義塾大学法学部教授
宮崎 緑   千葉商科大学国際教養学部教授

・政府側出席者

杉田 和博  内閣官房副長官
岩尾 信行  内閣法制次長
山﨑 重孝  内閣府事務次官(皇室典範改正準備室参与)
池田 憲治  宮内庁次長
大西 証史  内閣総務官(皇室典範改正準備室長)
溝口 洋   内閣審議官(皇室典範改正準備室副室長)

4 会議の内容

〇 資料1「前回までの議論について」について事務局から説明が行われ、有識者会議メンバー間で次のような議論があった。

・ 皇位の継承と皇族数の確保という2つの問題の関係をどのように考えるべきかということについて、この2つは関連する問題であるが、時間軸を比較的長くとって、将来の検討の課題にすることと、時間軸として早急に議論すべき問題とに分けて議論すべきということが、これまでの会議の議論から導かれる考え方であると思う。将来、皇位継承の問題を考える上では、その時点での皇族数の確保というものも不可欠であり、この2つは時間軸でつながっている。時間軸の長いものを将来的に議論するためには、時間軸の短いものに現段階で対応する必要がある。その点が伝わるようにしていく必要があるのではないか。

・ この会議では、ヒアリングを受けて、皇位継承について検討をしてきた。多くの専門家の方々の御意見を伺い、検討した結果、将来の皇位継承についての具体的な在り方は、資料1にあるとおり、その時点での状況を踏まえて判断すべき事柄ではないかと考えたということである。

・ 皇位継承については、ヒアリングや会議における議論を通じ、今の皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、ということをまず確認した。その上で、将来、皇位継承の在り方を考えるに当たっては、その必要条件として皇族数が確保されていなければならないという面もある。悠仁様までの皇位継承の流れはゆるがせにすべきでないということを明確にした上で、後は様々な状況の変化を見ながら議論すべき課題であり、まだ検討すべき事項もあるので、そういったものを踏まえて、将来、最終的な結論を求めてほしいということではないか。

〇 資料2「事務局において制度的、歴史的観点等から調査・研究を行うべき事項(案)」
について事務局から説明が行われ、有識者会議メンバー間で次のような議論があった後、案のとおり決定した。

・ 男系の女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することについて、女性皇族にどのような役割を期待するのかということも大切である。今後の議論に当たっては、公的行為の意味や範囲を考えていく必要があるのではないか。学問や芸術、スポーツの振興、精神的な支えになる災害時の慰問、社会的な弱者をいたわられる活動などは非常に意味があると思う。
 これまでの会議の議論の中で、皇族の役割として、摂政、国事行為の臨時代理や皇室会議のメンバーという法制度上の役割、いわばハード面の役割と、国民の目に見える形で様々な活動をしていただくことや天皇・皇位継承者をサポートするというソフト面の役割とがあるという意見もあったところであるが、海外では女性王族がどのような活動をなさっているのか調査をしていくことは、今後の参考になるのではないか。

・ 公的行為の在り方については、充実させてほしい、皇室の存在を国民にもっと知らせてほしい、という立場がある一方で、憲法との関係や、その活動は税金でサポートされている制度であるということから、範囲が広がりすぎることを懸念する立場もある。バランスをとりながら考えていく必要があるのではないか。

・ 内親王・女王の配偶者及び子を皇族とする場合における子の皇籍離脱の取扱いについて、当該子は女系の皇族ということになるので、皇位継承問題に関わらないようにするという視点からは、婚姻された場合には皇籍離脱することとするという在り方が考えられるだろう。一方で、皇位継承資格とは別に、皇族数を確保する必要があるという観点もある。したがって、特定の考え方を前提とするのではなく、皇籍離脱する場合としない場合、両方の可能性があることを前提として、調査・研究してもらいたい。

・ 海外王室では、女性王族が離婚された例などもある。新たな制度を考える場合には様々な観点があった方がよいと考えるので、海外ではどのような取扱いとなっているかについて、海外の女性王族の配偶者・子の扱いなどの項目では調べてもよいのではないか。

・ ①の「歴史上、男系女性皇族の婚姻後の扱いはどのようなものであったか」という調査・研究項目には、歴史上の女性天皇も含めて整理してもらったらよいのではないか。

〇 会議として、今後の整理の方向性をまとめるに当たり、有識者会議メンバー間で次のような議論があった。

・ 資料1にこれまでの議論の内容は極めて簡潔にまとめられており、基本的な方向としては、こうした内容をベースに意見の集約を図っていくことでよいのではないか。

・ ①内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することを可能とする、②皇族の養子縁組を可能とすることで、皇統に属する男系の男子が皇族となることを可能とする、③皇統に属する男系の男子を法律により直接皇族とするという3つの方策があり、①②が検討の中心ということでよいと思う。
 これについて、議論の可能性を全部列挙すれば、①②についても、そのどちらかにするのか、両方ともありなのか、という論点もあり得るわけだが、強調すべきことは、多様な選択肢を用意するということではないか。このような観点に立って今後の検討を進めていく、というまとめにするのがよいのではないか。幅広く選択肢は用意すべきだというニュアンスを強く出すことで、今までの議論の中身を反映したものになるのではないか。
 具体的に言えば、今後の検討は①及び②を中心とすることとし、③は、①及び②では十分な皇族数が確保できない場合に検討する事柄と考えるべきではないか。一定の皇族数を確保することは必須の課題であり、そのための多様な選択肢を持つことが重要である。そういう観点に立って、今後の検討を進めるべきではないか。このようにまとめるのがよいのではないか。

・ ①だけがいい、②だけがいい、あるいは①は駄目だ、②は駄目だ、というような議論を続けていれば、結局のところどちらも選択されず、皇族数がいつまで経っても確保できないということになりはしないか。会議の議論としては、多様な方策があり、それぞれプラスマイナスがあるが、特定の方策をあらかじめ排除することなく、可能性として提案していく、というスタンスで臨むのがよいのではないか。その意味で、先の御意見のように、①と②を中心とし、なおかつ③も排除するものではない、という趣旨を述べた後に、多様な選択肢を持つことこそ大事だと述べていってはどうか。

・ ①から③の方策については、オプションの数が3つだというわけではなく、例えば内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することについても、配偶者や子の身分をどうするかという点で枝分かれはあり得るというように、多様なバリエーションがあり、どれを採るかによって、見方も変わってくるのではないか。様々なバリエーションがあるということを示すためには、「選択肢」という言葉ではなく、「方策」という言葉を用いる方がより適切なのではないか。

・ これらの方策は、皇族の公的な活動等にとどまらず、安定的な皇位継承に関する将来の議論につながるという面もあり、安定的な皇位継承にも関わることをはっきり示すという意味で、そのことを明記してもよいのではないか。

・ 資料1にもあるが、これまでの会議の議論を振り返ると、まず一番大切なこととして、現在の皇位の継承の流れをゆるがせにしないということを確認した。その上で、このまま何もしなければ皇族数が少なくなってしまい、皇族が果たされている役割に支障が出てくるので、皇族数を確保しなければならない。そのための方策として、①②を中心とし、③も含めた方策を考えるべきということである。
 これらの方策は、将来の具体的な皇位継承の在り方の議論の際に、多様な方策を確保することに資するという面はあるが、男系女子の皇位継承を認める、女系の皇位継承を認める、あるいは、旧宮家の方々の皇位継承を認める、というような議論までしてきたわけではないので、①から③の方策と安定的な皇位継承を直接的に結び付けて書くべきではないだろう。

・ 悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、悠仁親王殿下のお子様の出生を見て、という考え方もあるが、それを強調するあまり出生のプレッシャーを与えるということにならないよう留意していく必要がある。

以上の議論を踏まえ、事務局において「今後の整理の方向性について(案)」を作成し、会議出席者に配付され、案のとおり了承された。

追加資料 : 今後の整理の方向性について(案)(PDF/204KB)

〇 次回会議の日程については、事務局による調査・研究が終わり次第、改めて決定することとなった。

 

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