私たちは、皇室の伝統的な男系継承を確保する「養子案」の早期実現を求める活動を進めています

会長ご挨拶

ゆるぎない皇室制度の確立にむけて

 皆様のご賛同、ご協力を得まして、「皇室の伝統を守る国民の会」が再発足の運びとなりましとこと、まことにご同慶の至りでありまして、全国各地、各界各層の皆様に参加を呼び掛け、世論を盛り上げ、有史以来の皇室の伝統を守るため、活動してまいる決意を新たにしております。

 その会長としてご推挙頂きましたことを大変光栄に存じております。光栄には存じておりますが、私は何分にも勉強不足であり、果たして皆様のお役に立って行くことができるかどうか、甚だ危惧しているところでありまして、皆様からのご教示を仰ぎ、ご指導を賜りながら、力を尽くして、その職責を果たしてまいりたいと存じておりますので、何卒、宜しくお願い申し上げます。

 この度、「皇室の伝統を守る国民の会」の再発足を呼びかけましたのは、直接的には政府が「女性宮家の創設」の検討を開始したことによる危機感であります。政府がこの検討を開始する理由とするところは、ご高承のように、「皇室のご活動を安定的に維持することにある」とされておりまして、政府は、「皇位の継承とは切り離して検討を行う」としてはいますが、同時に、その一方では、「平成十七年の『皇室典範に関する有識者会議』報告書を前提に検討を進める」ともしておりまして、その意図が那辺にあるのか、大きな疑念を抱かざるを得ないのであります。

 有史以来一貫して守られてきた「男系による皇位継承」は、これからも、絶対に護持されなければなりません。これを改変することは、わが国の国柄、国のあり方の根幹を改変するものでありまして、国家としての連続性を断ち切る革命ともいうべきものであります。それ故、些かでも、この「男系による皇位継承」に影響を及ぼす虞があるような制度の改変は絶対にさせてはならず、そのような改変に対しては、徹底的に反対してまいらなければならないのであります。

 それとともに、私ども国民は、男系による皇位継承を安定的に維持し、天皇陛下をお支えする皇室制度をゆるぎないものとするために、必要な提言もしてまいらなければなりません。私どもは、天皇陛下を中心に頂く我が国の国柄が永久に存続することを心から念じており、陛下をお支えする皇室の弥栄を心から希っております。そのために必要な方策を提言し、その実現を図ってまいるのは、国民としての責務であると考えております。

 悠仁親王殿下がおられますので、男系男子による皇位の継承は、これからも永く安泰であり、まことに慶賀すべきことであります。しかしながら、悠仁親王殿下が陛下となられて、海外に行幸なられることもございましょうし、恐れ多いことではありますが、ご入院なされることもあり得ましょう。そのような場合、男性の皇族で、陛下の「国事行為の代行」をなさって頂く方が誰もおられないという事態を生じる虞があるのであります。現在政府が検討しているいわゆる「女性宮家の創設」がなされなくても、その頃も少数の女性皇族はおられるでありましょうし、「国事行為の臨時代行に関する法律」によれば、女性の皇族の方々も、国事行為の代行をなさることができないということはございません。そうではありますが、陛下をお支えする皇室に男性は誰もおられず、陛下が国事行為をなさることができない事態が生じたとき、代行される男性の皇族がおられないという事態は、何としても異常であり、避けなければならないことだと存じます。それ故、このような事態を避ける方策が早急に鋭意検討され、適切な方策の実現を図らなければならないと考えております。

 ほかにも、適切な方策を講じなければならない様々な事柄があると存じます。この「国民の会」の活動は、男系による皇位継承に、些かでも影響を与え兼ねない制度改変に反対し、これを阻止するだけに止まってはならないのでありまして、天皇陛下をお支えする皇室制度をゆるぎないものとするために適切な提言をし、その実現を図ってゆく使命をも担っていると考えております。

 以上、甚だ蕪辞でありますが、ご挨拶とさせていただきます。

平成二十四年五月三十日

三好 達
皇室の伝統を守る国民の会会長、元最高裁判所長官

 

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