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(議事録全文)『安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議』(第13回・令和3年12月22日)議事次第・配付資料・議事録

有識者会議(令和3年)

『安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議』は通称であり、正式名称は『「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議』です。

議事録、資料などは次に示す内閣官房のホームページに掲載されていますが、Webでの閲覧や検索に適さないPDF形式であるため、当HPにてHTML形式に整形しなおしたものを掲載し、メディアによる切り取り・偏向報道を経ていない1次情報を広く国民の皆様に知っていただきたいと存じます。

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議|内閣官房ホームページ
内閣官房,「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議

議事次第

第13回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 議事次第

日時:令和3年12月22日(水) 16:15~17:45
場所:総理大臣官邸大会議室

議事

○ 開会
○ 有識者会議報告について
○ 内閣総理大臣挨拶
○ 閉会

配付資料

資料1  : 報告(案)(PDF/1,559KB)

資料2  : 報告(案)(概要)(PDF/208KB)

議事録

「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議(第13回)議事の記録

1 日時:

令和3年 12 月 22 日 16:15~17:47

2 場所:

総理大臣官邸大会議室

3 出席者:

・「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者 会議メンバー

大橋 真由美  上智大学法学部教授
清家 篤    日本私立学校振興・共済事業団理事長、慶應義塾学事顧問
冨田 哲郎   東日本旅客鉄道株式会社取締役会長
中江 有里   女優・作家・歌手
細谷 雄一   慶應義塾大学法学部教授
宮崎 緑    千葉商科大学国際教養学部教授

・政府側出席者

岸田 文雄   内閣総理大臣
松野 博一   内閣官房長官
栗生 俊一   内閣官房副長官
山﨑 重孝   内閣官房参与・皇室制度連絡調整総括官
岩尾 信行   内閣法制次長
池田 憲治   宮内庁次長
大西 証史   内閣総務官(皇室典範改正準備室長)
溝口 洋    内閣審議官(皇室典範改正準備室副室長)

4 会議の内容

(1) 報告について

〇 事務局から資料1「報告(案)」が読み上げられ、案のとおり決定された。
〇 事務局から資料2「報告(概要)(案)」が読み上げられ、案のとおり決定された。また、決定に当たり、会議メンバーから次のような発言があった。

・ です・ます調かつ平易な文章でまとめたのは報告書の形式としては珍しいかもしれないが、読みようによって同じ文脈から違う解釈が生じないよう、また直接多くの国民の皆さまに読んでいただけるよう工夫した結果と捉えていただければと思う。したがって、レジュメである概要だけでなく、是非、本体の報告書を併せて読んでいただけるよう広く周知していただければと思う。

〇 「報告」の決定に当たり、会議メンバーから次のような発言があった。

・ 会議の一員として畏れ多い機会をいただいたが、皇室制度について予断を持たず、虚心坦懐に与えられたテーマに取り組むことを心掛け、3月から 10 か月の間、会議の活動に参加してきた。附帯決議で示された課題は、国民の間でも様々な意見がある、大変な困難なものだが、多様な方々を対象として実施された有識者ヒアリングと、会議メンバーの方々との議論を通じて、皇室制度について理解を深め、真摯な検討を行うことができたと感じている。
 天皇及び皇族に関する制度は、憲法に定められた国家的な仕組みであるが、その一方で、その制度を構成してくださっているのは、血の通った生きた方々である。この会議では、各メンバーが皇室制度を支える方々のお立場、お気持ちに常に思いを及ぼしつつ議論を進めてきた。この点は皇室制度を今後維持していくためにも不可欠な視点であると思う。将来行われる検討においても、是非引き継いでいただきたいと思っている。

・ 国の枢機に関わる非常に重要な課題に参画させていただいたことは大変ありがたく、また光栄に思う。多くの有識者の方の貴重な御意見を多く聞くことができ、その度に改めて、重大な課題を議論しているということを痛感した。日本の伝統ある皇室制度の持続的な発展のために、今、何をなすべきなのか、そのような視点に立って、できるだけ多くの方々に御理解いただけるよう努めてきたが、現実的な選択肢を提示することができたのではないかと思う。将来における皇位継承の在り方については、機が熟するのを待って検討を深めることが適切ではないかと思う。この報告書が、国と皇室の一層の繁栄の礎になるように願っている。

・ 今の気持ちを平易に申し上げたい。日本は天皇のいらっしゃる国であり、その制度の下で育ってきた。それは自分がこの世を去っても続いていくものだと自然と思っていたが、この会議が開かれるということは、続くと信じていたものが今後そうではないかもしれないということを意味していると受け止めた。

 当初から、現状より選択肢の広がった制度、構造にすることが今後の道を開くことにつながるのではないかと考えていた。しかし一方で、この場での自分の発言が、当事者の方々の人生に影響を及ぼすことへの怖さも持ち続けてきた。思い切って踏み込むことと、あえて触れないこと、どちらが正解であるのかは分からないが、そもそもこの会議が開催されていること自体、当事者の方々の人生に踏み込んでいるのだとも思う。しかしながら、そこで怖気づいてしまえば、何の役割も果たせないと思い、大変な重責であったが敬意と畏れを忘れずに会議に臨み続けた。それができたのも座長、他のメンバーの皆様、会議に御列席の皆様のおかげであり、この場を借りて御礼申し上げたい。

・ この会議で議論している事柄については様々な考え方がある中で、いかにして幅広いコンセンサスの下で今後の日本の道のりを検討することができるのか考えてきた。報告書の「おわりに」において、「政争の対象になったり、国論を二分したりするようなことはあってはならない」と取りまとめている。この報告書を基に、冷静に、かつ、静かな環境で、幅広いコンセンサスに向けて検討が行われればよいと願う。全員が満足する、あるいはただ一方の立場の方が満足するということは幅広い国民のコンセンサスを作る上では難しく、様々な意見が出てくるとは思うが、この報告を基に、幅広いコンセンサスと 21 世紀のアイデンティティーが見つかり、その上に皇位継承の議論が進んでいくことを願っている。

・ 千年の単位で紡がれてきた伝統の重い制度を、価値観の変化していく時代になじむ制度として、これから先も続けていくにはどうしたらいいのか、何を守り、どこは変えてもいいのかということを考えてきた。そのためには、刹那の意見に左右され過ぎることなく、大きな時間軸の目を持って見つめていくということが必要ではないかと思う。今の段階で一足飛びに踏み出すのではなく、一つずつ目盛りを刻んでいくような形で、社会全体がこの国の形というものについて学び育っていくというような態度が必要なのではないかと思う。そういう意味で、一歩、一目盛りを刻む報告書ができたのではないかと思う。これがこの先どのように刻まれていくのかということのスタートラインになればよいと思っている。

〇 「報告」の決定に当たり、座長から以下のとおり発言があった。

本年3月、菅内閣総理大臣の命を受け、本会議は発足いたしました。以降、私ども会議メンバーは、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法に対する附帯決議」に示された課題に真摯に向き合い、慎重かつ真剣な議論を行ってまいりました。本日、岸田内閣総理大臣に、会議としての報告書をお渡しできることを大変うれしく思っております。岸田総理、松野官房長官には、これまで会議の議論をしっかりと見守っていただいたことに感謝申し上げます。また、ヒアリングにお越しいただいた 21 名の方々にも、この場を借りて、座長として改めて御礼を申し上げたいと思います。

 私どもが議論を重ねてまいりました課題は、我が国の未来に関わる、大変重く、難しい問題でありますが、時機を失することなく考えていかなければならない事柄でもあります。そのため、会議としては、皆様の今後の検討に資するものとなることを目指し、謙虚に、冷静に議論をすることに努めてまいりました。多様なバックグラウンドを持つ方々から広く御意見を伺い、様々な角度から検討を重ね、考えを積み上げてまいりました。これはもちろん容易なことではありませんでしたけれども、会議メンバーで議論を重ねることで方向性を見出し、今日に向けて進んでこられたと思っております。

 3月からの 10 か月間、途中、事務局に調査・研究をお願いした時期も含め、この責務のことが念頭を離れることはありませんでした。今こうして総理に報告書をお渡しすることとなり、やっと肩の荷を下ろすことのできるような思いで、ほっとしているところでございます。

 会議では、皇位継承について悠仁親王殿下までの流れを前提にすべきであること、皇族数の減少が喫緊の課題であること、これらの共通認識の下で多様な選択肢を提示することを心掛け、この報告書を作成いたしました。ここにお示しした会議の議論の結果が、国会を始め、各方面における検討に資するものとなれば幸いです。

(2) 内閣総理大臣への手交

〇 座長から岸田内閣総理大臣に対し、決定された「報告」が手交された。

〇 「報告」を受け取った岸田内閣総理大臣から以下のとおり挨拶があった。

 ただ今、清家座長から、報告書を頂戴いたしました。

 皆様方には、国家の基本に関する極めて重要、かつ難しい事柄について、7月に取りまとめられた「今後の整理の方向性について」に基づき、大変バランスの取れた議論をしていただいたと考えており、今後の各方面における検討に資するものとなることが期待されます。

 これもひとえに、皆様方が、我が国の成り立ちや皇室に対する真摯な思いに基づいて長期間、熱心に御議論を重ねてくださった結果であると思っております。

 政府といたしましては、頂いた報告書を国会に報告するとともに、しっかりと今後の対応を行ってまいりたいと考えております。

 改めて、清家座長を始め、皆様方のこれまでの御尽力に敬意を表し申し上げますとともに、深く御礼を申し上げる次第でございます。誠にありがとうございました。

〇 松野内閣官房長官から以下のとおり挨拶があった。

 本日は報告書を取りまとめていただき、誠にありがとうございました。私からも、心から御礼申し上げる次第でございます。官房長官といたしましては、関係方面との調整等につきましてしっかりと対応してまいりたいと考えております。どうもありがとうございました。

〇 栗生内閣官房副長官から、以下のとおり挨拶があり、本会議は終了となった。

 本当に先生方、ありがとうございました。官房長官を補佐してまいりたいと思います。

 

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