私たちは、皇室の伝統的な男系継承を確保する「養子案」の早期実現を求める活動を進めています

令和7年4月7日「安定的皇位継承の法制化を求める国民大会」登壇者あいさつ全文

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【主催者挨拶】皇室の伝統を守る国民の会会長・山東 昭子 参議院議員

 皆様ごきげんよう。本日は月始めの何かと行事が重なるこの時期に、こんなにたくさんもの皆様方がこの会にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。感謝を申し上げる次第でございます。

 今の日本、本当に荒れております。そして世界も本当に一体どうなってしまうのかと、そういう緊張がとれない、そんな環境でございます。だからこそ伝統のある我が国は、国民の象徴であられる天皇陛下を中心といたしました皇室の伝統、そして皇室のこれからの在り方、そうしたものをきちんと法制化して、確固たる形を作り、進めていかなければならない大事な時が今迫っていることでございます。

 皇室と申しますと、私が副議長時代に交流がございました、亡くなられた日系アメリカの上院議員ダニエル・イノウエ氏とお話をいたしました時、現在の上皇陛下が皇太子であらせられた折に、戦後間もなく御所をお訪ねになったそうでございます。その折に非常にお寒いところに殿下がおられたので、「どうしてこんなお寒いところにおられるんですか」と申し上げたら、「民が今一番苦しんでいる、その時に我々がぬくぬくとしたところにいてはならないと思って」とおっしゃられた。そのお話を伺って本当に私は感動いたしました。常に国民に寄り添って、そして本当に国民のために尽くしておられる。

 御承知のように昭和天皇の時代は、雲の上の存在であられた天皇陛下。そして官令により、日本人とは一切握手もされないというような決まりでした。しかし上皇陛下が美智子様とご結婚されて、雲の上から降りてきてくださった。そしてまた幾多の災害の折には、本当に色々な時に国民のところに膝をおつきになって、同じ目線でご苦労話を聞いてくださったり、そして手を取ってくださったり、本当にありがたい天皇皇后両陛下でございました。そうした上皇陛下、上皇后陛下のお心を継いで今上陛下も今、国民のために色々なところへいらしてくださっておられます。

 私どももそうしたことを考えた時、今まさに各党がご検討くださっておりますけれども、一日も早く法制化をいたしまして、我々政治家にできることはそれでございます。今日お集まりのそれぞれの分野のお力のおありになる皆様方が一致団結をされて、世論を盛り上げていただき、そしてご一緒に法制化というものを進めていきたいと考えている次第でございます。

 今日はそんなことで、各党の代表の皆さん方、そしていろんな分野の方々からお話を伺いながら、議論を深めていきたいと思っています。本日はどうぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございました。

 

【各界挨拶】ジャーナリスト・櫻井 よしこ氏

 皆様こんにちは。今、今上陛下は皇后陛下と共に、これ台がギシギシ言いますが、多分法制化が遅い遅いとこの台も言っているんだろうというふうに私は感じます。天皇皇后両陛下が硫黄島に行ってくださっております。本当にどれほど英霊の御霊が慰められるか、そして日本国民全員の心がどれほど鎮められるかということを思いますと、本当に皇室のご存在というのはありがたいものだと実感をいたすところであります。

 今年は戦後80年であります。この戦後80年、昭和天皇陛下が敗戦を受け入れたときに、二つのことをおっしゃったというふうに伺っております。一つは、日本民族を絶やさないためにここで戦をやめなければならない。もう一つは、このままでは日本国の国柄が消されてしまう。そういったことをご心配なさっておられたということが記録に残っております。

 そして先ほども申し上げましたが、今年は終戦から80年。80年3世代が過ぎました。その間に何が起きたんだろうと国民の一人として考えますと、やはり昭和天皇がご心配なさっておられた、国柄がどこか薄くなっているのではないかということを感じずにはいられません。

 例えば、宮内庁侍従次長をお務めになられた木下道雄さんという方が、その著書で昭和天皇の御製四首を紹介しておられるんですけれども、それがいわゆる昭和天皇実録にも、「おほうなばら」(※編注:昭和天皇御製集)にも載せてもらっていない。その御製は何かというと、「国がらを ただ守らんといばら道  すすみゆくとも  いくさとめけり」。

 なぜこの御製がいろんな歌集に納められなかったのか、それはいろんな専門家の方々の推測でございますけれども、国柄という言葉に躊躇したのではないかと。編者が、編纂する方たち、その委員会が天皇陛下が国柄というお言葉を使っておられたことに、何となく世間の反発、国際社会の受け止め方などに忖度して入れなかったのではないかというふうに言われております。昭和天皇が心配されました国柄が本当に消えてしまうのではないかという、そのような事象が既に起きているわけです。もう何年も前のことでございます。

 そして私たちは今、皇室の皆様方の数がとても少なくなって、本当に悠仁親王殿下お一人が、広い広い野原に一本すっくと立っているような気がいたします。周りにお守りする方がいらっしゃらない。本当に一人ぼっちだという印象です。

 今から6、7年前でしたでしょうか。宮内庁の侍従を務めておりました牧野さんという方が、どういう経緯か分かりませんけれども、昭和天皇の御製約200首を、直筆で書かれた御製200首を、それから様々な資料を保管しておられたんですね。それを朝日新聞がスクープして、その後世界日報も非常に詳細に伝えました。その中に、亡くなりました、昭和62年8月7日、1987年8月7日に亡くなりました岸信介さんを偲ぶ歌もございましたけれども、その同じ月に、旧皇族の山階武彦さんが亡くなった。旧皇族の方、臣籍降下なさった方ですね。この方のことを偲んで昭和天皇が歌っておられます。「長々と病に伏せし君もまた、秋立つ朝に消えしは悲し」。旧皇族とはいえ、そして民間に降りたとはいえ、あなたは同じ皇族なんでしょうと。昭和天皇は旧皇族の方々が臣籍降下する時に、同じ思いでいつでも訪ねていらっしゃい、いつかあなた方も戻る日があるから、ちゃんと身を清めてお過ごしなさいということをおっしゃられたというふうに伺っております。そのお言葉通り、旧皇族で民間人でいらしたこの山階さんについて、このようにお心のこもった御製を残しておられる。

 ですから今、世間でいろんなことを言う方がいます。もう皇族を離れて60年も70年も経つのだから、おかしいじゃないか、戻るのはおかしいということをおっしゃる方もいらっしゃるんですけれども、60年や70年というのは皇室の長い歴史の中では本当に一瞬のことなんですね。もう問題にするに値しません。ですから昭和天皇のお気持ちも考えて、私たちは旧皇族の皆様方の養子縁組、そして皇籍復帰ということを、真剣に急がなければならないというふうに思います。昭和天皇のみならず、今皇族でいらっしゃる皆様方のお心はさぞ心細いのではないかというふうに思います。

 国際社会が大動乱し、私たちはどこにその拠り所を求めて良いかわからない。その拠り所というのは立派な日本人であるという、その一点に尽きると思うんですね。立派な日本人であるというのは歴史を踏まえて行動する、歴史を踏まえて生きる、歴史を踏まえて自分の人生を全うして、そして日本人として立派に死んでいくということなんだろうというふうに思います。歴史を踏まえるという、その歴史の中心にいらっしゃるのが皇室の皆様方、皇室であります。

 私たちはこの皇室をめぐる心もとない状況を一日も早く解消するために、ぜひ国会にいらっしゃる立法府の皆様方には、今までより以上に努力を重ねてくださって、一日も早く皇室の皇位継承の安定化を担保する法律を作っていただきたいというふうに思います。それが全国民の願いであり、それができた暁には、私は日本国というのは今の状況よりも遥かに、様々な意味で、自信に満ちた国になることができるのではないかというふうに思います。皆様方、一緒に頑張りましょう。ありがとうございました。

 

【各界挨拶】元内閣官房参与・谷口 智彦氏

山東会長、お招きを、かたじけのう存じます。

敬愛する、麻生太郎最高顧問はじめ、各界諸先生の御前にはばかりいでますことを、身に余る重責と存じます。

せめて背筋をしゃんと伸ばし、以下、務めてまいります。

さて聞き及びますところ、儒教を始めた、かの孔子の、直系子孫を名乗る一統は、絶えることなく今日に及び、当代をもって86代目に当たるのだそうであります。

さ、あらば、あれ。

わたくしどもの天皇陛下は、ただいま第126代に当たられます。世界のどこを訪ねても、かくまで長い連続をもつ家は、絶無であります。類を見ません。

孔子の一門とまったく事情を異にすることには、一貫して、すめらみこととして世をしろしめしておいでになり、実に、今日に及ばれる。

これを宝物(たからもの)、人類史に屹立する至宝と呼ばずして、なんと形容すべきでしょうか。わたしたちがいただく皇室とは、幾度強調してもし足りません。徹頭徹尾、古代以来の人類の歴史において、類例をまったくもたない存在なのです。

それのみではありません。

神武天皇以来の、たましいと書いて「魂(たま)」を、世々代々、末代まで絶やすまいと思い定め、ひとたび決定(けつじょう)したるからには、実に126代の当代に至るまで、孜々営々として、男系を保ってきた。

その、切れ目のない連続に対し何事かいわんとして、ふさわしい言葉が見つかりません。

かかる伝統の重みを前にしては、ひとは畏敬の念をひたすらにし、この列島に代々住まった先人たちのその務めに、ただ唇を固く閉じ、頭を垂れることができるのみであります。

十代八方を数える女の天皇がおられたことは、いま述べました先人たちの努力、男系で維持しようとしたその孜々たる努力を、むしろ裏書きするものにほかなりません。

なぜというに、それらの方々ご退位ののち、皇室は、男系に復して今日に至るからです。

これを絶やそうとした世俗権力は、ありませんでした。坊主を殺すに躊躇いのなかった織田信長は、むしろすめろぎへの敬意をもっていたと伝わります。

武門の世が未来永劫続くかに思われた時期、皇室の財政は困窮を極めます。

天皇の血を絶やすまいとする努力は、しばしば至難。それでも歴代天皇のうちどなたも、ただのお一人として、あえてべらんめえ調で申します、「えい、ままよ、やめだやめだぁやめちまえぇ」などと、かりそめにも思われた方がありませんでした。

廃絶を試みる動きは、皇室の外からも、内からも起きず、しかも男系で絶えることなく今日に及ぶという、これこそは我が国の歴史、否、人類の歴史における、奇蹟であります。

自分の代で、絶やしてはならない、なるものか。

わたしどもの先祖には、そのように思って努力した人たちが大勢いたのです。この、絶えることのない継続を、無数の人々が力を合わせ、今日まで保ってきた類い希なる国。それこそが日本です。

天皇の血を引く男系男子に、養子として皇室に入っていただくことを、必ず実現しなくてはなりません。もはや、猶予を許さぬ問題です。実現のあかつき、わたくしには聞こえる気がいたします。日本人みなの、「あぁー、よかったぁー」という、深い、深い、安堵の吐息です。

そのときわたしたちは、「君が代は、千代に八千代に、さざれ石の、巌となりて、苔のむすまで」というあのことばが、リアリズムの表現だと知るのです。現実の、正確な描写なのです。

そしてそれを実現してはひとつ次、そのまた次の世代へと、絶えることなくともしびをつないだわたしたち一人一人の、リアルな描写でもあることを直覚するでありましょう。

あぁー、よかったぁー、とそう思う日本人は、ご同意いただけますでしょう、きっとこう、面(おもて)を上げてお天道様の方に向け、着実な前進を続けてやろうと、決意を新たにするに違いありません。日本は、そうして、また強く、伸びていくことができるのです。

人類史に類例のないわたしたちの大切な宝物を、われわれの世代で絶やすようなことがあっては絶対にいけない。そんな、大罪を犯して、われわれみなが罪人になるのでは、いけない。

右、申し上げました。谷口智彦、終わります。

 

【各党代表ご挨拶】麻生 太郎 衆議院議員(自由民主党最高顧問、「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」会長)

 自由民主党を代表いたしまして、一言ご挨拶をさせていただきます。

 本日は、安定的皇位継承のための法制化を求める国民大会が開催されますことを心よりお慶び申し上げる次第であります。またお招きをいただきまして誠にありがとうございました。平素より、皇室の安寧と安泰、そして伝統を守り抜く思いを共有しておられる方々に、改めて心から敬意を表する次第であります。

 さて、令和3年12月に政府が有識者会議の報告書を取りまとめております。ご存知のとおりです。本日、司会をされている半井小絵さんは、この有識者会議のヒアリングで意見陳述をされておられます。聞くところによりますと、半井さんは和気清麻呂(わけのきよまろ)のご子孫でいらっしゃるという事も伺いました。皆さんご存知の通りって、あまり知っている人もいないかもしれませんが、和気清麻呂という方は弓削道鏡(ゆげのどうきょう)という人と皇位を簒奪しようとするのを阻んだ、和気清麻呂の子孫ということになるんだと思いますが、現在、衆参両院議長の下、各党各会派が集まって協議を行わさせていただいております。この全体会議におきまして、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、そして悠仁親王殿下という皇位継承の流れを揺るがせにしてはならないということを、当然ながら大前提として議論が行われております。

 自由民主党といたしましても、悠仁親王殿下の次の世代の皇位継承につきまして、今後の経過を踏まえつつ、静謐(せいひつ)な環境の中で議論を深めていくべきものだと考えております。

 安定的な皇位継承の確保というものこそは、まさに我が国の根幹、国柄に関わる極めて重要な事柄であって、国論を二分するというようなことは夢々あってはならないものだと考えております。摂政や皇室会議など皇室制度は複数の皇族がいらっしゃることを前提として成り立っております。そして現在、皇族方が果たしておられる役割が極めて広範囲にわたっていること、また、悠仁親王殿下以外の御五方の未婚の皇族方が全て女性であること、などを考慮しますと、皇族数の確保ということは喫緊の課題であると考えております。

 そのための方策として、まず現在皇族に禁じられております養子を行えるようにし、皇統に属する男系男子、いわゆる旧十一宮家、伏見宮家等々、十一宮家の子孫の方々に、養子として皇族になっていただくということは極めて重要であろうと考えております。

 旧十一宮家の方々は現行憲法、また皇室典範の下で皇位継承資格を有しておられた方々であります。その子孫の方に国民の間でも広く行われている養子制度というものを通じて皇族になっていただくということであります。

 また現在の制度では内親王、女王殿下は、結婚されると皇籍を離脱されるということになっておりますが、これを改めて、婚姻後も皇族の身分を失わないようにするということも考えていかなければならないと存じます。ただし内親王、女王方の配偶者、子供は皇族としないということが極めて重要であると考えております。配偶者が皇族となるとすると結婚のハードル自体が非常に上がってしまうなど多数問題があるからでもあります。

 皇統に属する男系の男子を、法律により直接皇族にするという方策はもちろんあるわけではありますが、これについては自由民主党として引き続き検討してまいりたいと考えております。

 現在国会におきまして、額賀衆議院議長、関口参議院議長の下、各党各会派において真摯な議論が行われております。自由民主党としては安定した皇位の継承と皇族数確保のため、早期に立法府の総意を取りまとめ、これを踏まえた法案を今国会中に政府に提出させ、成立させるべく全力を尽くしてまいる所存であります。

 以上、自由民主党としての決意を申し上げるとともに、ご列席をいただいております皆様方の絶大なるご支援、ご協力を重ねてお願い申し上げて、私からの挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。

 

【各党代表ご挨拶】野田 国義 参議院議員(立憲民主党、「安定的な皇位継承に関する検討本部」副本部長)

 立憲民主党で、安定的な皇位継承に関する検討本部副本部長で、参議院議員の野田国義でございます。本日は安定的な皇位継承の法制化を求める国民大会にお招きをいただきまして誠にありがとうございます。立憲民主党を代表して一言ご挨拶を申し上げます。

 平成29年6月に、天皇の退位等に関する皇室典範特例法が成立し、安定的な皇位継承を確保するための諸課題と女性宮家の創設等について検討し、国会への報告を求める附帯決議が行われました。政府の有識者会議は、令和3年12月に報告書の取りまとめを行い、令和4年1月衆参両院は皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けました。

 立憲民主党は野田佳彦元内閣総理大臣を委員長とする、代表直轄の安定的な皇位継承に関する検討委員会において、これまでの経緯を整理しながら立法府の総意をまとめる方向をしっかりと後押しをしていくとの思いで、党内議論を重ね、昨年3月12日に論点整理を決定いたしました。

 額賀衆議院議長、尾辻参議院議長、海江田衆議院副議長、長浜参議院副議長の4者の下、昨年5月立法府の対応に関する全体会議が2回開かれ、その後6月より立法府の対応に関する各政党各会派から個別の意見聴取が行われました。通常国会中の結論を得ることはできませんでしたが、9月には両院、正副議長4者による中間報告が、当時の岸田総理に手交されました。

 中間報告では女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案について認める方向で、おおむね共通認識が得られたとし、また養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰に関しては積極的な意見も多く述べられましたが、反対論もありました、とされたところであります。

 解散総選挙を経て、額賀衆議院議長、関口参議院議長、玄葉衆議院副議長、長浜参議院副議長の4者の下、本年1月より立法府の対応に関する全体会議が再開をされました。立憲民主党は、安定的な皇位継承に関する検討委員会を、検討本部に改組し、野田佳彦常任顧問、馬淵澄夫本部長、田名部匡代本部長代行とともに全体会議に参加してまいりました。

 3回の全体会議では、各党各会派の意見の要点について整理するとともに、皇族数確保のための第1案、女性皇族の婚姻後の皇族の身分保持のあり方及び皇族数確保のための第2案、皇統に属する男系男子を養子に迎えることについて、自由討議の形式で集中的に討議してまいりました。その中で、政府の有識者会議での議論が不十分だった女性皇族の婚姻後に皇族身分を保持する場合の、配偶者、子の身分についてしっかりクローズアップされ、配偶者及び子に皇族としての身分を付与する案と、配偶者及び子に皇族としての身分を付与しない、案の両案の長所と短所について検討が深められたところでございます。大変有意義であったと考えます。

 何よりも全体会議のテーマ別討議によって、皇族数確保のための両案の課題も浮き彫りとなり、立法府の総意の取りまとめに向けた一定程度の論点の洗い出しができたところではないかと感じているところでございます。

 皇族数の確保と安定的な皇位継承の問題は、皇族数が減少する中で先送りのできない課題であり、悠長に構えていい話ではありません。額賀議長からは、お互い歩み寄り可能な限り速やかに取りまとめ、ぜひこの常会中に結論を出したいとの意向を示されているところです。

 日本国憲法第二条は、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、としており、立法府の職責の重要性を共有し、静謐(せいひつ)な環境の中で各党各会派の議論の頻度を重ねることはもちろんですが、野党第一党として、与党の皆さんと胸襟を開いた丁寧な議論を通じて、意見の開きを縮める努力を重ね、立法府の総意をつくっていくことに貢献してまいりたいと考えております。

 最後に、本大会の盛会とお集まりの皆様のご健勝を祈念申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。有難うございました。

 

【各党代表ご挨拶】藤田 文武 衆議院議員(日本維新の会、「皇室制度調査会」会長)

 本日はこの国民大会が、これだけ多くの皆様の熱気に包まれ、そしてこうして要望書をいただけたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。私個人としても、そして党を代表しても、いただきました要望書に100%賛同する立場でございますので、皆様とともに一歩前進させるべく頑張ってまいりたいと思います。

 先ほど麻生先生、そして野田先生から、これまでの国会での動きの経緯は縷々ご説明がありましたので、我が党の動きと、それから今後に向けた決意を簡潔に述べさせていただきたいと思います。

 先ほどありましたように、令和3年の末に有識者会議の報告が出されました。それを私見たときに、非常にバランスの取れた、良質な提言をまとめていただいた皆さんに本当に深く感謝しまして、これをぜひ進めたいという思いが一番強くありました。そんな中で、先ほどありましたように明けて翌令和4年に我々党の代表が集められて、ある種の宿題を党にいただきました。それぞれ議論をしっかりと深め、党の考えをまとめてくださいと。私ども当時私は幹事長だったんですけれども、幹事長が会長となって皇室制度調査会を立ち上げまして、そして今日いらっしゃっている先生方の中にも講師で来ていただいた方もいらっしゃいますが、有識者の方にも来ていただき、勉強会を積み重ね、党内議論を行った上で、我が党の考えをその年のうちにまとめさせていただきました。

 この問題は、静謐な環境でしっかりと議論をする、これが大前提として各党共有しているわけでありますが、この静謐な環境で議論するというのは非常にもどかしさもあるものでございまして、我々はすぐに党の意見をまとめたわけでありますが、各党からまとまった考えが出るには少し時間がかかりました。私も嫌味を言ったこともありました。しかしながら、今日ここまで来まして全体会議が行われるにあたり、そして各党がしっかりと議論を静謐な環境で戦わせる、そういう土壌がやっと去年、今年と衆参両院の議長のリーダーシップのもと出来たことは、私は非常に歓迎すべきことであり、そして今日様々皆さんにもお考えあると思いますが、党内お立場難しい立憲民主党からも野田先生が来ていただいて、こうして我々のこの会合に意見を表明してくださったことは、私は歓迎したいし感謝を申し上げたいと思います。

 あと一歩のところまで来てまいりました。私も皇室の各党代表者会議のメンバーでもございますから、しっかりと皆様の思いを背負って、今日いただいた要望書がしっかりと実現していくように取り組んでまいりたいと思います。皆さんともに頑張ってまいりましょう。

 

【各党代表ご挨拶】西田 実仁 参議院議員(公明党・幹事長)

 公明党で幹事長を務めております参議院議員の西田実仁でございます。本日は安定的皇位継承の法制化を求める国民大会のご開催、誠におめでとうございます。そして私もお招きを賜りましたことを感謝申し上げたいと思います。公明党といたしましては皇室典範改正検討委員会を設けておりまして、まず基本的な考え方を述べさせていただきたいと思います。

 安定的な皇位継承が確保されることは国家の基本に関わることでございます。現在の皇室は天皇陛下、上皇陛下及び15方の皇族で構成されておられますが、悠仁親王殿下以外の未婚の皇族は全員女性であり、現行制度のままでは悠仁親王殿下が即位されたときに同世代以下の皇族がいなくなることが想定されております。

 一方で皇位継承の流れを不安定化させることはあってはなりません。悠仁親王殿下の時代以降の皇位継承については、悠仁親王殿下のご年齢やご結婚をめぐる状況を踏まえ、引き続き議論を深めていくべきと考えます。

 将来、安定的な皇位継承の在り方を検討するにあたっては、一定の皇族数がおられることが不可欠であります。また皇族の方々は、憲法や皇室典範等で定められた役割を果たしていただかなければなりません。さらに様々な公的活動を担われておられます。将来の皇位継承後も、天皇を支える皇族がおられることが極めて重要と言わなければなりません。まずは、皇族数の確保を図ることが急がれる課題で、喫緊に解決すべき課題と、将来の議論に委ねるのが相応しい課題等を立て分けて議論を進めるべきと考えます。

 制度の検討にあたりましては、次の観点が重要であると考えます。第一に、国民の理解を得られるものでなければなりません。天皇の地位は日本国民の総意に基づくもので、国民の代表機関である国会において、国民の総意を見つけ出すという基本姿勢の下で、政党間の幅広い合意の取りまとめに臨むことが重要であります。第二に、歴史と伝統の尊重であります。我が国の皇位継承の歴史と伝統を重く尊重されなければなりません。第三に、当事者である皇族の方々の思いを踏まえなければなりません。以下、政府の有識者会議の報告書にある二つの皇族数確保の具体的方策について、意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとする方策についてです。現行の皇室典範第十二条では、皇族女子は天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れるとあります。しかしながら、明治時代の旧皇室典範が定められるまでは、女性皇族は皇族でない者と結婚しても、皇族の身分は保持されておりました。女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持されることとすることは、国民の理解も得られ、皇室の歴史とも整合的と考えられ、制度化を検討すべきであります。

 また、婚姻後の女性皇族の配偶者、子は、皇族の身分を持たないとするのが適切かと考えられます。配偶者となる方の職業選択の自由と、一般国民として保障されてきた自由は保持されるとすることが、女性皇族の方の婚姻の支障とならないのではないかと思われます。一方、現在の内親王殿下、女王殿下については、これまで現行制度の下で人生を歩んでこられたことに鑑み、経過措置として皇族の身分を保持するか否かについて、一定の配慮をすべきではないかと思われます。

 なお、憲法第24条1項の、夫婦が同等の権利を有することを基本とするとの整合性を問う意見がありますが、婚姻及び家族と関係しない権利について、配偶者との間で差異が生ずる状態になったとしても、その適用が問題となるものではないと考えられます。

 第2に養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする方策についてです。現行の皇室典範第9条では、天皇及び皇族は養子をすることができないとあります。しかしながら、現在の少子化等の進展が続く中で、皇室を存続させるためには、皇族が養子を迎えることを可能とすべきと考えられます。その場合、皇族が男系による継承を積み重ねてきたことを踏まえると、養子となり皇族となる者も、皇統に属する男系の男子に該当する者に限るとする有識者会議の報告は妥当と考えます。

 いわゆる旧十一宮家の方々は、現行憲法、皇室典範施行後5ヶ月の間は皇族であったこと、また明治天皇、昭和天皇の御息女が嫁がれ、その子孫の方々も現在に至るまで天皇家と交流があることを考慮すると、これらの方々の養子縁組が認められるべきと思われます。ただし、養子縁組手続きについては、民法の特例法として、皇室会議の議を経るなどの措置を取ることが必要とすべきでありましょう。また、養子となって皇族となられた方は、これまで一般国民として生活をされてきたことを考えると、皇位継承資格は持たないとするのが適切と考えられます。さらに、縁組後に養子と婚姻した妻は皇族となるとし、父が養子となった後に生まれた子は皇族とすることが考えられます。

 また、皇位継承の流れを不安定化させないという観点からは、天皇陛下御夫妻、上皇陛下御夫妻及び皇嗣殿下御夫妻は養子縁組できないとするのが適切かと思われます。

 なお、皇統に属する男系の男子に該当する者に限って養子縁組を認めることは、憲法第14条の門地による差別にならないかとの意見がありますが、そもそも憲法第2条は第14条の特例であること等を踏まえると、憲法の許容するところと考えられます。

 悠仁親王殿下の時代以降の皇位継承資格については、静かな環境の下で引き続き議論を深めていくべきと考えます。また、元女性皇族など現在の皇族でない方が皇室活動を支援される制度の創設や、皇室の方々が担う公務の負担軽減も検討課題と考えられます。

 公明党としての考え方を御紹介申し上げ、結びにご参会の皆様のご多幸をお祈り申し上げまして、一言ご挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

 

【各党代表ご挨拶】川合 孝典 参議院議員(国民民主党・幹事長代行兼参院幹事長)

 ご紹介を賜りました、国民民主党で幹事長代行を仰せつかっております川合孝典でございます。本日は安定的皇位継承の法制化を求める国民大会にご参集の皆様には誠にご苦労様でございます。また、大変重い要望書を受け賜りましたことを重く受け止め、国民民主党本部に持ち帰りまして、今後の議論にしっかりと反映させていくことを冒頭にお誓いを申し上げたいと思います。その上で、国民民主党の考え方につきまして、少しだけ私自身の思いも含めてご紹介をさせていただきたいと思います。

 我々国民民主党、そして私は、日本の歴史、皇室の歴史、正しい歴史の在り方というものを何よりもきっちりと理解をした上で議論を進めていかなければいけないという立場に立たせていただいております。ゆえに私自身、この会議に参加するにあたり、改めて皇統譜をしっかりと検証し直し、皇祖神天照(あまてらす)から五世孫(ごせいそん)に至る磐余彦天皇(いわれびこのすめらみこと)、すなわち神日本磐余彦天皇(かむやまといわれびこのすめらみこと)神武(じんむ)天皇、初代から現代126代に至るまで、全て検証をし直させていただきました。

 さまざまな議論がなされていることは私どももご承知申し上げておりますが、十一宮家が皇籍に復帰していただき、皇子として復帰していただくということについても、さまざまなご意見があることを承知をいたしております。

 過去の歴史をひもときますと、今の国民の皆さまは、一度皇籍から外れた方が皇室にお戻りになられるということに対して、抵抗感をお持ちであるということを聞いております。しかしながら、さかのぼって考えますと、第15代崇神天皇の五世孫でいらっしゃる第26代継体天皇、この系譜は過去の歴史としてございます。また、世襲親王家としてかつて存在していた家、特に伏見宮家が大変な長い系譜を、南北朝時代以降維持してこられたことも皆さまには御承知のとおりかと思いますが、現在の皇統は、第113代東山天皇の王子から始まる閑院宮家に端を発しているということを考えたときに、世襲親王家から天皇がお出になるということについても、皇統譜を確認した上で何ら問題はないというのが、私自身の歴史認識ということでございます。

 しかしながら、過去の歴史について正しく学ぶ機会がなかなか国民の皆さまにも持ちきれなかったということも事実であり、そうした状況の中で誤った歴史認識に基づいて議論が進められることで、静かな議論をする環境が整わないということを私たちは恐れております。

 我々、日本のこの国の形を今後どうしていくのかということが問われる大切な大切な議論だと思っておりますので、私どもは今申し上げたような歴史認識に基づきまして、国民の皆さまの合意形成、より多くの国民の皆さまの合意形成が得られるような議論を、主体的に進めていけるよう取り組みを進めていく所存であります。

 最後の余談でございますが、先ほど司会の半井(なからい)さんのお話が出ました。私は半井という名前を聞いて一番最初に思い出すのが、確か江戸幕府の奥御典医の家系だったんじゃないかなと記憶したんですけど、和気家とも関係あったんですね、というぐらい私自身は日本の歴史を誰よりもこよなく愛する人間でございます

 本日は大変雑駁なご挨拶でございますけれども、この国の将来の在り方を決める大きな議論であります。同時に、今議論している内容の中で重要な議論はたくさんございますが、一つだけ申し上げたいのは、今の女性皇族の皆さまの婚姻後の身分の在り方について、これだけはぜひとも早く、方向性を確定しなければいけないと強く思っております。皇族方の皆さまの将来の幸せのことを考えた時に、そしてこの国の形を同時に維持しようと思った時に、今何をするべきなのか、真っ先に何をするべきなのかという事について、ぜひ各党間で協議を進めて頂くことを、この場で関係の仲間の議員の皆さまにもお願いを申し上げました上で、国民民主党を代表してのご挨拶にさせて頂きたいと思います。皆さま共に頑張って参りましょう。有難うございました。

 

【閉会の挨拶】日本会議国会議員懇談会会長 古屋 圭司 衆議院議員

 本日は安定的皇位継承の法制化を求める国民大会、これ決議いただきました。①から③まであります。①は当然のことでございますが、②、③、これが極めて重要でございます。本日各政党の代表からご挨拶いただきましたが、私、各政党を聞いていて、やはりこの問題の一番根本は、安定的な皇位継承と、日本が培ってきた伝統、歴史をしっかり守る、この2つがポイントでございます。

 そういう中にあって、今日は5会派出てきていただいておりますが、立憲民主党の野田(国義)先生もわざわざ出てきていただきまして、私から敬意を表したいと思います。というのは、お話の中で、ご承知のとおり、②と③については、両論併記、論点整理なんですよね。だからはっきりとした党の答えは出ていない、というふうに私受け止めました。しかしこうやって出てきていただいたということは、素晴らしいことだと思います。その上で、ぜひ幅広い政党の合意が必要でございますので、冒頭にも申し上げましたように、しっかり伝統と文化を守る、安定的な皇位継承、この2番目の最初の伝統と文化を守るということについては、残念ながら立憲さんからそこの言及はなかったので、ちょっと一抹の不安は感じますが、これはしっかりと党でまとめて頂きたいというふうに思います。

 こんなこと言ったら叱られるかもしれませんが、今から25年前に国旗国歌法というのをやったんです。この時に、1999年に公布されましたけれども、当時の民主党は衆議院も参議院も真っ二つに割れちゃったんですね。ちょっとそれを思い出しました。でもやはり、この問題は国旗国歌法以上に日本の根幹、国柄の問題でありますから、私たちが日本国の国会議員である以上は同じ方向に向いていくということを、ぜひ党でも取りまとめていただきたいということを、私の方からもお願いを申し上げたいというふうに思います。

 今日こうやって本当に大勢の方、全国各地からご参集いただきました。心から感謝、御礼を申し上げながら、この決議の趣旨と中身をしっかり私たちの心に刻んで法制化、皇室典範の改正に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、ご挨拶に代えます。ありがとうございました。

 

 

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