『安定的な皇位継承の在り方を検討する有識者会議』は通称であり、正式名称は『「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議』です。
議事録、資料などは次に示す内閣官房のホームページに掲載されていますが、Webでの閲覧や検索に適さないPDF形式であるため、当HPにてHTML形式に整形しなおしたものを掲載し、メディアによる切り取り・偏向報道を経ていない1次情報を広く国民の皆様に知っていただきたいと存じます。
議事次第
第1回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 議事次第
日時:令和3年3月23日(火) 16:50~18:30
場所:総理大臣官邸小ホール
議事
○ 開会
○ 座長の選任
○ 内閣総理大臣挨拶
○ 会議の運営について
○ 皇室制度等に関する説明
○ 有識者ヒアリングの実施について
○ 閉会
配付資料
資料1 : 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議の開催について(PDF/113KB)
資料2 : 天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議(PDF/183KB)
資料3 : 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議の運営について(案)(PDF/93KB)
資料4 : 「最終報告」(平成29年4月21日 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議)(抄)(PDF/162KB)
資料5-1 : 皇室の構成(PDF/215KB)
資料5-2 : 皇室に関する法制度(PDF/193KB)
資料5-3 : 皇室の御活動(PDF/546KB)
資料6 : 「皇室典範に関する有識者会議 報告書」(平成17年11月24日)の概要(PDF/127KB)
資料7 : 「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」(平成24年10月5日 内閣官房)の概要(PDF/128KB)
資料8 : 有識者ヒアリングの開催について(PDF/108KB)
参考資料: 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議における有識者ヒアリング実施要領(抄)・対象者一覧(PDF/330KB)
議事録
「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議(第1回)議事の記録
1 日時
令和3年3月 23 日 16:47~18:22
2 場所
総理大臣官邸小ホール
3 出席者
・「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者
会議メンバー
大橋 真由美 上智大学法学部教授
清家 篤 日本私立学校振興・共済事業団理事長 慶應義塾学事顧問
冨田 哲郎 東日本旅客鉄道株式会社取締役会長
中江 有里 女優・作家・歌手
細谷 雄一 慶應義塾大学法学部教授
宮崎 緑 千葉商科大学教授・国際教養学部長
・政府側出席者
菅 義偉 内閣総理大臣
加藤 勝信 内閣官房長官
杉田 和博 内閣官房副長官
岩尾 信行 内閣法制次長
山﨑 重孝 内閣府事務次官・皇位継承式典事務局長(皇室典範改正準備室参与)
池田 憲治 宮内庁次長
大西 証史 内閣総務官(皇室典範改正準備室長)
溝口 洋 内閣審議官(皇室典範改正準備室副室長)
4 会議の内容
(1) 座長の選任
構成員の互選により、清家構成員を座長に選任した。
(2) 出席者挨拶等
〇 次のとおり菅内閣総理大臣から挨拶があった。
皆様におかれましては、御多忙の中お引受けいただきまして、また、本日お集まりくださったことに、心から御礼申し上げます。
平成29年6月に衆議院及び参議院の委員会で可決された「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」においては、政府に対し、この附帯決議に示された課題について、国会に報告するように求められております。これを踏まえ、今回、高い識見を有する皆様に、御議論をお願いすることといたしました。
御議論いただきますのは、国家の基本に関わる極めて重要な事柄です。皇室制度や歴史の専門家など様々な方々のお考えも聞いていただきながら、十分に議論し、様々な考え方を分かりやすい形で整理していただきたいと思います。
政府として、皆様方の御議論をしっかり踏まえて対応してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
〇 続いて、有識者会議メンバーから挨拶及び自己紹介が行われた。
(3) 会議の運営について
〇 有識者会議の運営について、資料3「「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議の運営について(案)」のとおり決定した。
資料3 : 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議の運営について(案)(PDF/93KB)
〇 有識者会議メンバー間において、自身の発言を含め、誰がどのような発言をしたかについて、個別に対外的な発言をすることは控えることが申し合わされた。
(4) 皇室制度等に関する説明
政府側出席者の挨拶に続き、資料4から資料7までについて、事務局から説明が行われた。
資料4 : 「最終報告」(平成29年4月21日 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議)(抄)(PDF/162KB)
資料5-1 : 皇室の構成(PDF/215KB)
資料5-2 : 皇室に関する法制度(PDF/193KB)
資料5-3 : 皇室の御活動(PDF/546KB)
資料6 : 「皇室典範に関する有識者会議 報告書」(平成17年11月24日)の概要(PDF/127KB)
資料7 : 「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」(平成24年10月5日 内閣官房)の概要(PDF/128KB)
〇 この説明に関し、次のような質疑応答があった
・有識者会議メンバーから、資料6中3.(3)にある「弾力的運用」とはどういう意味かとの質問があり、事務局から、その時々における皇族の状況に照らして、皇籍離脱制度を適切に運用していくという趣旨である旨の説明があった。
(5) 有識者ヒアリングの実施について
〇 政府側出席者から、参考資料に沿って、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」における有識者ヒアリングの概要について説明があった。
参考資料: 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議における有識者ヒアリング実施要領(抄)・対象者一覧(PDF/330KB)
〇 座長から、
・ヒアリングの時間枠、人数、内容の公表方法等について、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」のやり方を踏まえること。
が提案され、了承された。
〇 ヒアリング対象者について、有識者会議メンバーから次のような意見があった。
・この会議で取り扱う議題については様々な意見があることから、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」における有識者ヒアリング対象者を先例として踏まえつつ、できる限り多方面の方々から意見を聞いてはどうか。
・「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」における有識者ヒアリング対象者の女性の人数よりも多くの女性から意見を聞いてはどうか。
・この会議で取り扱う議題の内容に照らし、若い年代の方から意見を聞いてはどうか。
・法律、政治、歴史、文化、宗教等の多様な専門分野の方から意見を聞いてはどうか。
・家族法の専門家から意見を聞いてはどうか。
・個別の専門分野を有する方だけではなく、幅広い観点から議論をしていただける方からも意見を聞いてはどうか。
・皇室制度について議論するに当たっては、国民の中にどのように受け入れられるかという視点から、学者だけではなく、一般国民の感覚を表現していただける方からも意見を聞いてはどうか。
〇 座長から、ヒアリング対象者について、上記の意見を踏まえ、
・第1回・第2回のヒアリングは、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」における有識者ヒアリングの対象者の中からヒアリング対象者を決定することとし、具体的な人選については座長一任とすること。
・第3回以降のヒアリング対象者については、次回以降の会議に諮ること。
が提案され、了承された。
〇 資料8「有識者ヒアリングの開催について」に沿って事務局から説明があり、聴取項目について原案のとおり決定された。
その際、座長から、ヒアリングでは、聴取項目にない質問も自由に行うことができる旨補足があった。
資料8 : 有識者ヒアリングの開催について(PDF/108KB)
(以下、資料8の内容を文字起こししました)
[資料8]
有識者ヒアリングの開催について
1.ヒアリングの開催趣旨
有識者会議において、附帯決議の一において示された課題について、様々な専門的な知見を有する人々からヒアリングを実施し、有識者会議における議論の参考とする。2.聴取項目(案)
問1.天皇の役割や活動についてどのように考えるか。
問2.皇族の役割や活動についてどのように考えるか。
問3.皇族数の減少についてどのように考えるか。
問4.皇統に属する男系の男子である皇族のみが皇位継承資格を有し、女性皇族は婚姻に伴い皇族の身分を離れることとしている現行制度の意義をどのように考えるか。
問5.内親王・女王に皇位継承資格を認めることについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか。
問6.皇位継承資格を女系に拡大することについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか。
問7.内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することについてはどのように考えるか。その場合、配偶者や生まれてくる子を皇族とすることについてはどのように考えるか。
問8.婚姻により皇族の身分を離れた元女性皇族が皇室の活動を支援することについてはどのように考えるか。
問9.皇統に属する男系の男子を下記①又は②により皇族とすることについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか。
①現行の皇室典範により皇族には認められていない養子縁組を可能とすること。
②皇統に属する男系の男子を現在の皇族と別に新たに皇族とすること。
問10.安定的な皇位継承を確保するための方策や、皇族数の減少に係る対応方策として、そのほかにどのようなものが考えられるか。以上
〇 ヒアリングの実施に関連して、有識者会議メンバーからは、
・ この会議で議題となっている課題について、国民の中にある様々な考え方をしっかり認識しながら、議論していきたい。
との発言があった。
(6) その他
第2回会議については、4月8日(木)17:00 から開催することとなった。